2007年1月5日金曜日

合理的に考えると自分の国を離れるしかない国、って幸せな国か?

WBS@12chで興味深いニュースやってたから、とりあえずてっとりばやく、1本目として記録してみる。

ニュースの内容はこんな感じ。

東欧諸国(ポーランド/ルーマニア/ブルガリア)のEU加盟によって欧州の人材争奪戦が加熱している。

今起きている現象は以下の通り。

・1番優秀な人は、より良い職を求めて、海外(ロンドン等)へ行く
・次に優秀な人は、より良い職を求めて、自国内に進出した外資系企業(HP等)に行く
・あまり優秀でない人も、1番優秀な人が海外へ流出していくため、ジョブ市場で底上げされて、より良い職へと転職していく
・そうすると国内最底辺あたりの職には自国内の人材は当てられなくなるため、他の(より平均賃金レベルの低い)国から人材を補充する他ない(ニュースではブルガリアの縫製工場の従業員が全て中国人…という具体例を挙げてた)。

おもしろかったのは、スタッフサービス。ポーランドの安価な人件費を見込んで進出したら、空けてびっくり。ポーランドの労働力は次々に海外へ流出し、定常的な人材不足(ニュースでは明言してなかったけど、ポーランド人の平均賃金も上がってるんだろうね)。挙句の果てに現地スタッフから、ブルガリアからの労働力受け入れの提案を受ける…。担当の日本人スタッフが、「さすがにそこまでは想定外でした…」って正直に言ってたけど、それ、本音かもねぇ。

で、WBS的な結論は、こう。「日本も海外からの労働者受け入れになんだかんだ規制をかけて二の足踏んでると、この争奪戦に乗り遅れますよ」。

日経らし~ね~。

それはそれで確かにそうなのかもしれないけどさ、でも一面でこうも考えられない?

より良い職を求めて合理的に考えると他国へ出稼ぎに行かざるを得ないってのは、その人たちにとって、幸せか?要はさ、自国内で働くという”当たり前のこと”は非合理的な選択の結果としてある程度のコストを払った上でないと実現できない”ありがたいこと”になっちゃってるわけだよね…。それが幸せか?

もちろんEU加盟やら外資進出やらによるメリットもあるわけで、要は、そのメリットとそうしない場合のデメリットの比較考量なんだけど、本当に比較したかぁ?比較した上で誰かがちゃんと判断したのかぁ?大きな力に押しに押されて判断してる場合じゃないでしょ、ってのが正解のような気がする。

その大きな力ってのが、グローバリゼーションなんでしょうね。

ちなみに、コメンテータには完全に無視されてましたが、上述の縫製工場のブルガリア人オーナがうまいこと言ってました。いわく、「グローバリゼーションとはこの工場のことだ」って。

さて、明日は、『ダーウィンの悪夢』を観に行ってきます。